簿記3級の配点は45点・20点・35点 — 得点配分と合格点の全体像
大問3つ・100点満点・70点で合格
日商簿記3級(日商簿記検定3級)の試験は、大問3つ・100点満点で構成されます。配点は第1問45点・第2問20点・第3問35点、合格点は70点です。試験時間は60分で、統一試験(ペーパー方式)とネット試験(CBT方式)のどちらも同じ配点・同じ合格基準です。
ここで押さえておきたいのは、日本商工会議所が公式に示しているのは「商業簿記・3題以内・試験時間60分・70%以上で合格」という試験科目のレベルまでだという点です。大問ごとの得点配分そのものは検定の公式ページに一覧として掲げられているわけではなく、2021年度の試験改定で大問が3題構成になって以降、公式サンプル問題や実際の出題で45点・20点・35点が固定して使われている実質的な標準、という位置づけになります。試験制度は改定されることがあるため、受験する回の要項は商工会議所の公式サイトで最新情報を確認してください。
それでも受験対策として配点を知る価値は非常に大きいものがあります。60分という短い試験時間のなかで、どの大問にどれだけ時間を使い、どこで点を取りにいくかは、配点を知っているかどうかでまったく変わるからです。3級簿記の学習では「全部できるようにする」よりも「配点の大きいところを確実にする」ほうが、はるかに合格に近づきます。
得点配分の早見表 — 大問ごとに何が出て何点か
まず、簿記3級の試験全体の得点配分を一覧にします。この表が本記事の土台になります。
| 大問 | 出題内容 | 問題数 | 配点 | 目標点の目安 |
|---|---|---|---|---|
| 第1問 | 仕訳問題 | 15問 | 45点 | 36点(12問正解) |
| 第2問 | 勘定記入・補助簿・伝票・語句記入など | 問1・問2の2題 | 20点 | 12点 |
| 第3問 | 決算の総合問題(精算表・財務諸表など) | 1題(設問複数) | 35点 | 26点 |
| 合計 | — | — | 100点 | 74点 |
この表から読み取れる最大のポイントは、第1問と第3問だけで80点分あるということです。第2問を1点も取れなかったとしても、第1問と第3問で8割強を確保できれば合格点の70点に届きます。逆に、配点20点の第2問に時間を吸い取られて第3問が白紙になると、35点を丸ごと失うため一気に不合格圏に落ちます。簿記3級の得点配分は、この「第1問と第3問を優先する」という一点に集約されると言ってよいほどです。
大問の呼び方 — 「大門1」「3問目」も同じものを指す
検索するときの呼び方が人によってばらつくのも、簿記3級の配点まわりでつまずきやすいところです。第1問・第2問・第3問はそれぞれ「問1」「問2」「問3」「1問目」「2問目」「3問目」「大問1」「大問2」「大問3」と呼ばれ、さらに「大門1」「大門2」「大門3」と表記されることもありますが、すべて同じ3つの大問を指しています。呼び方が違うだけで配点が変わるわけではないので、どの言い方で情報を見つけても45点・20点・35点という数字は共通だと考えて構いません。
なお、大問の中の小問を「問1」「問2」と呼ぶこともあり(特に第2問は問1・問2の2題構成です)、文脈によって指すものが変わります。本記事では大問を「第1問・第2問・第3問」、その中の小問を「問1・問2」と書き分けます。試験全体の問題構成そのものをもう少し詳しく知りたい場合は、簿記3級の問題の出題構成と大問別の型をまとめた記事もあわせて読んでみてください。
第1問(仕訳)の配点45点 — 1問3点×15問をどう取るか
第一問の配点は仕訳15問×3点。ここが合否を決める
第1問の配点は45点。内訳は仕訳問題が15問で、1問あたり3点です。100点満点の45%を1つの大問が占めており、簿記3級のなかで最も配点の大きいパートになります。「簿記3級 第一問 配点」「簿記3級 問1 配点」と調べる人が多いのも当然で、ここの出来がそのまま合否に直結するからです。
出題形式は、取引の文章を読んで、指定された勘定科目の一覧から借方・貸方の科目を選び、金額を入力するというものです。1問あたりにかけられる時間は1〜1.5分程度。15問を20分以内で処理し、残りの40分を第2問・第3問に回すのが標準的なペースになります。
仕訳1問3点は「全部合って3点」— 部分点はない
第1問で決定的に重要なのが、仕訳は1問まるごと正解して初めて3点になるという採点の性質です。借方の勘定科目と金額、貸方の勘定科目と金額がすべて揃って正解であり、借方だけ合っていた、金額が1桁違った、という場合は0点です。第3問のように部分点が積み上がる余地がありません。
この性質があるため、第1問の勉強は「なんとなく分かる」を「確実に書ける」に変える作業になります。具体的には次のような取り組み方が効きます。
- 頻出の取引パターン(現金過不足、売掛金・買掛金の決済、手形、固定資産の購入、給料と預り金、消費税、貸倒れなど)を型として覚え、読んだ瞬間に借方・貸方が浮かぶ状態にする
- 勘定科目の五要素(資産・負債・純資産・収益・費用)の分類を取り違えない。分類を間違えると借方・貸方が丸ごと逆になり、3点が消える
- 金額の計算を伴う問題(減価償却、消費税、利息の按分など)は、計算過程を余白に残して桁ミスを防ぐ
仕訳そのものの解き方と頻出パターンの一覧は、簿記3級の仕訳問題を型ごとに整理した記事で詳しく扱っています。第1問対策はそちらを軸に進めるのが早道です。
45点のうち何点を取りにいくか
目標は15問中12問正解=36点です。3問落としても36点残り、第3問で26点、第2問で12点を足せば74点で合格ラインを超えます。逆に第1問が9問(27点)まで落ちると、第2問・第3問で43点=残り55点中の8割近くを取らなければならず、一気に苦しくなります。
つまり簿記3級は「第1問で何点取れる状態に仕上げたか」で難易度が決まる試験だと言えます。学習時間の配分に迷ったら、まず仕訳に最も多くの時間を投じてください。1問3点という配点は、勉強量が最も素直に得点に変わる場所でもあります。
第2問の配点20点 — 2題で分け合う内訳と、深追いしない基準
第2問の配点は20点。3つの大問で最も小さい
第2問の配点は20点で、3つの大問のなかで最も小さくなっています。「簿記3級 第二問 配点」「簿記3級 問2 配点」「簿記3級 2問目 配点」といった調べ方をされますが、いずれも指しているのはこの20点の大問です。
構成は多くの場合、問1・問2の2題です。20点をこの2題で分け合う形になり、10点ずつのこともあれば、12点と8点のように偏ることもあります。どちらの配分になるかは回によって変わり、事前には分かりません。
出題内容は簿記3級のなかで最も幅が広く、総勘定元帳や特定勘定の勘定記入(T字勘定の穴埋め)、補助簿の選択、伝票の起票と集計、語句の穴埋め、商品有高帳、固定資産台帳などが入れ替わりで出ます。何が出るか読みにくいため「寄せ集め問題」と呼ばれることもあり、対策が後回しになりやすい大問です。
20点に時間を使いすぎないための線引き
第2問で最も多い失敗は、勘定記入の空欄を1つ埋めるために前後の取引を延々と追いかけ、気づけば20分以上が経過して、配点35点の第3問に手をつける時間が残っていないというパターンです。20点を取りにいって35点を失うのですから、得点戦略としては完全な逆効果になります。
そこで、次の線引きを試験前に決めておくことをおすすめします。
- 第1問(45点)を先に片づけ、次に第3問(35点)に着手する
- 第2問は最後に回し、残り時間で拾える設問から埋める
- 資料を読んで解法が浮かばない設問は、5分粘って進まなければ空欄のまま次へ移る
- 語句記入や補助簿の選択など、知識だけで即答できる小問は先に確保する
目標は20点満点ではなく12〜16点です。配点20点の大問に学習時間の3割を注ぐのは配分ミスであり、同じ時間を仕訳と決算整理に回したほうが総得点は確実に伸びます。
それでも第2問で取れる点はある
とはいえ第2問を丸ごと捨てるのも得策ではありません。勘定記入は「仕訳を書いてから転記する」という手順を守れば機械的に埋まる部分が多く、補助簿の選択や語句記入は暗記で確実に取れます。出題パターンごとの解き方と、部分点をどこから拾うかは簿記3級 第2問の対策をまとめた記事で個別に解説しているので、第2問を苦手にしている場合はそちらを参照してください。
第3問の配点35点と、精算表の配点はどこに付くか
問3の配点は35点。決算の総合問題が1題出る
第3問の配点は35点です。「簿記3級 問3 配点」「簿記3級 大問3 配点」「簿記3級 3問目 配点」と検索されるこの大問は、決算に関する総合問題が1題出題され、その中に複数の解答欄が並ぶ形式になっています。第1問に次ぐ配点であり、第1問と合わせて80点を占めます。
出題されるのは主に次の3タイプです。
- 精算表
- 決算整理前残高試算表に決算整理を書き込み、修正記入欄・損益計算書欄・貸借対照表欄を完成させる形式
- 財務諸表の作成
- 決算整理事項を反映して損益計算書と貸借対照表を作る形式
- 決算整理後残高試算表
- 決算整理を反映した後の試算表を完成させる形式
どのタイプでも、問われている力は同じです。売上原価の算定、貸倒引当金の設定、減価償却、経過勘定(前払・前受・未払・未収)、現金過不足や仮払金・仮受金の整理といった決算整理仕訳を正しく切り、それを所定の欄に落とし込めるかどうかに尽きます。
精算表の配点 — 修正記入欄と貸借対照表・損益計算書欄
精算表が出た場合の配点は、35点が精算表全体に1つ付くのではなく、解答欄のいくつかに分散して割り当てられます。「簿記3級 精算表 配点」「簿記3級 精算表 修正記入 配点」と調べる人が知りたいのはこの点でしょう。
実務的な感覚としては、次のように考えておくと解く順番を決めやすくなります。
- 修正記入欄は決算整理仕訳をそのまま書く欄で、決算整理1項目につき借方・貸方の2箇所が埋まる。仕訳が切れれば確実に埋まる場所であり、最初に処理する
- 損益計算書欄・貸借対照表欄は、修正記入を反映した後の金額を横に流して記入する欄。修正記入が正しければ機械的に決まる
- 当期純利益(または当期純損失)の行は、損益計算書欄と貸借対照表欄の両方に関わるため、途中で計算がずれていると連鎖して外れる
つまり精算表は上流の決算整理仕訳を1つ落とすと、その行から下流の複数の欄が連鎖して外れる構造になっています。逆に言えば、決算整理を1項目でも正しく処理できれば、その分の欄は確実に得点になります。時間切れで全部が埋まらなくても、埋めた欄の分だけ点が積み上がるという発想で手を動かすことが、35点を最大化する解き方です。
35点のうち26点を狙う
第3問の目標は26点前後、つまり7割強です。決算整理が8項目あるとして、6項目を確実に処理し、残りは触れる範囲で埋めるイメージになります。売上原価の算定(いわゆる「しくりくりし」)、貸倒引当金の差額補充、減価償却の月割計算、経過勘定の4つは毎回のように出るため、この4つを外さないだけで第3問の得点は安定します。
時間の目安は20〜25分。第1問を20分で終えたあと、第3問に25分を使い、残り15分を第2問と見直しに充てるのが、配点から逆算した現実的な時間配分です。
配点箇所は公表されない — 部分点の仕組みと拾い方
解答欄ごとの配点箇所は公表されていない
「簿記3級 配点箇所」「簿記3級 配点 箇所」という検索でたどり着きたいのは、おそらく「解答用紙のどの欄に何点が振られているのか」という情報でしょう。結論から言うと、日本商工会議所は解答欄ごとの配点箇所を公表していません。公表されているのは大問ごとの配点までで、第3問の解答欄が20箇所あるとして、そのうちどの欄に何点が付いているかは受験者には分からない仕組みです。
市販の問題集や予備校の模試には「配点箇所には★を付けています」といった形で予想配点が示されていることがありますが、それはあくまで各社の予想であり、本試験の実際の配点箇所と一致する保証はありません。予想配点を信じて「ここは配点がないはずだから飛ばす」という解き方をすると、外れたときの損失が大きくなります。
したがって現実的な戦略は、配点箇所を当てにいくことではなく、正解できる欄を1つでも多く埋めることに尽きます。どの欄に点があるか分からない以上、埋まっている欄が多いほど当たる確率は上がるからです。
部分点がある問題とない問題を区別する
「簿記3級 配点 部分点」「簿記3級 部分点」と調べる人にとって最も重要なのは、部分点が効く場所と効かない場所の区別です。簿記3級では両方が混在しています。
| 箇所 | 部分点 | 採点のされ方 |
|---|---|---|
| 第1問(仕訳15問) | ない | 1問3点。借方・貸方の科目と金額がすべて合って初めて3点。片方だけ正解でも0点 |
| 第2問(勘定記入・補助簿など) | ある | 設問や解答欄ごとに配点。埋めた欄が合っていればその分だけ得点 |
| 第3問(精算表・財務諸表) | ある | 解答欄ごとに配点。表全体が完成しなくても、正しい欄の分は積み上がる |
この違いは学習の方向性を変えます。第1問は「1問を完璧に仕上げる」練習が必要で、あいまいな理解のまま数をこなしても得点になりません。一方、第2問・第3問は「分かるところから確実に埋める」練習、つまり途中で詰まっても止まらずに手を動かす訓練が効きます。
部分点を最大化する3つの解き方
部分点が効く第2問・第3問では、次の3つを守るだけで得点が変わります。
- 合計欄より先に個別の欄を埋める。試算表や精算表は、合計が合わなくても個々の金額が正しければその欄の点は入ります。合計を合わせようと何度も検算するより、未記入の欄を埋めるほうが期待値は高くなります
- 決算整理は1項目ずつ完結させる。減価償却なら減価償却費と減価償却累計額を書き切ってから次へ進む。複数項目を並行して処理すると、時間切れのときにどれも中途半端になります
- 連鎖する欄を後回しにしない。当期純利益のように他の欄の結果を集約する箇所は、上流が埋まった時点で計算しておく。最後にまとめてやろうとすると時間切れで丸ごと失います
合格点が70点であることを思い出してください。30点は落としてよい試験です。完答を目指して1箇所で止まるより、7割の欄を埋めて次に進むほうが、部分点の仕組みには合っています。合格ラインと得点の関係については日商簿記3級の合格率と合格ラインを解説した記事もあわせて確認してみてください。
ネット試験(CBT)の配点は統一試験とまったく同じ
簿記3級 配点 ネット試験 — 45点・20点・35点で変わらない
「簿記3級 配点 ネット試験」「簿記3級 ネット 配点」「cbt 簿記3級 配点」と検索する人が確認したいのは、方式によって配点が変わるかどうかでしょう。答えは変わりません。ネット試験(CBT方式)も第1問45点・第2問20点・第3問35点の100点満点、試験時間60分、合格点70点で、統一試験(ペーパー方式)と完全に共通です。
出題範囲もレベルも同じで、どちらの方式で合格しても取得できる資格は同一です。ネット試験だから簡単・難しいということはなく、テストの中身としては同じものだと考えて差し支えありません。方式ごとの違いは次の表のとおりです。
| 項目 | 統一試験(ペーパー) | ネット試験(CBT) |
|---|---|---|
| 配点 | 45点/20点/35点 | 45点/20点/35点(同じ) |
| 試験時間 | 60分 | 60分(同じ) |
| 合格点 | 70点 | 70点(同じ) |
| 実施日 | 年3回の指定日 | 随時(テストセンターの空き枠) |
| 解答方法 | 解答用紙に手書き | 画面上でプルダウン選択と数値入力 |
| 結果 | 後日発表 | 終了直後に自動採点で得点表示 |
ネット試験の問題は自動採点 — 途中の考え方に点は付かない
「簿記3級 ネット試験 問題 配点」で気になるのは、画面上でどう採点されるかという点だと思います。ネット試験の問題は解答が確定した時点でシステムが自動採点し、試験終了後すぐにスコアが表示されます。人が答案を見て判断する余地はないため、次の点に注意が必要です。
- 勘定科目はプルダウンから選ぶ形式なので、表記ゆれで不正解になることはない。逆に、似た名前の科目を選び間違えるとその設問は0点
- 金額はキーボードで入力する。カンマの有無は自動処理されるが、桁を間違えれば当然0点
- 計算用紙に書いた途中式は採点対象外。画面に入力された答えだけが得点になる
- 解答欄ごとの採点なので、第3問の部分点は統一試験と同じように積み上がる
紙と違って画面上では表全体を一度に見渡しにくいため、精算表のように欄が多い問題ではスクロールに時間を取られがちです。この操作感の差は事前に慣れておくしかありません。ネット試験の申し込み方法から当日の画面操作の流れまでは、簿記3級ネット試験の全体像をまとめた記事で詳しく解説しています。
ネット試験は得点がその場で分かる
配点の観点でネット試験の大きな利点は、終了直後に「第1問◯点・第2問◯点・第3問◯点」という形で得点が表示されることです。不合格だった場合でも、どの大問で何点落としたかがはっきり分かるため、次回に向けた対策の優先順位を配点ベースで組み直せます。統一試験は結果が出るまで時間がかかり、大問別の得点も分かりません。この即時フィードバックは、配点を意識した学習を回すうえで実際にかなり有利に働きます。
公式サンプル問題と過去問で配点を確かめる方法
サンプル問題の配点 — 商工会議所が公開している唯一の実物
「簿記3級 サンプル問題 配点」「簿記3級 サンプル 配点」で探されているのは、商工会議所がネット試験の導入時に公開したサンプル問題のことです。これは受験者が本番と同じ画面形式を体験できる公式の教材で、大問ごとの配点が画面上に表示される形になっています。実際の出題が45点・20点・35点で運用されていることを、公式の資料で確認できるほぼ唯一の手段だと言えます。
サンプル問題を解くときは、点数そのものよりも次の点に注目してください。
- 第1問の仕訳が何問並び、1問あたりどれくらいの時間で処理できるか
- 第2問がどういう形式で、20点分の解答欄がどれくらいの量か
- 第3問の解答欄が何箇所あり、そのうち何箇所を60分の残り時間で埋められるか
この3つを実測しておくと、本番の時間配分を配点から逆算できるようになります。サンプル問題は問題数が限られているため、繰り返し解いて答えを覚えてしまう前に、まず1回は本番と同じ60分計測で通しで解くことをおすすめします。
「簿記3級 過去問 配点」— 現行方式の過去問は公表されていない
過去問については前提を押さえておく必要があります。日本商工会議所は現在、統一試験の問題冊子を回収しており、現行方式の過去問は公式には公表されていません。したがって「簿記3級 過去問 配点」を調べても、本試験そのものの答案と配点箇所が手に入るわけではありません。
市販の「過去問題集」と銘打たれた教材の多くは、実際には予想問題や本試験の傾向を再現したオリジナル問題であり、そこに書かれている配点も各社の予想配点です。もちろん演習素材としては有用ですが、「この欄には必ず配点がある」という前提で読むのは避けてください。過去問の入手可否と代替になる教材の選び方は日商簿記3級の過去問について整理した記事で、無料で使える素材だけを集める方法は簿記3級の過去問を無料で解く方法の記事でまとめています。
配点感覚を身につけるには模試形式の演習が近道
配点を頭で理解することと、60分の試験のなかで配点どおりに手を動かせることは別の能力です。後者を身につけるには、大問3つを通しで解く模試形式の演習を繰り返すしかありません。
通し演習では、毎回「第1問◯点・第2問◯点・第3問◯点」と大問別に採点し、記録を残してください。数回分を並べると、自分がどの大問で点を落としているかが数字ではっきり見えます。第1問が安定して36点を超えているなら次は第3問に時間を回す、第3問が20点前後で止まっているなら決算整理のどの項目で落としているかを潰す、というように、学習の優先順位を配点ベースで決められるようになります。無料で使える模試の探し方は簿記3級の模擬試験を比較した記事にまとめてあります。
配点から逆算する目標点と時間配分
簿記3級の配点と目標 — 70点ちょうどを狙わない
「簿記3級 配点 目標」で調べる人が知りたいのは、大問ごとに何点を目標にすればよいかという配分でしょう。結論として、合格点ちょうどの70点を目標にしてはいけません。本番では計算ミスや読み違いが必ず起きるため、70点狙いは事実上ぎりぎりの綱渡りになります。目標は75〜80点に置き、5〜10点のバッファを持たせるのが安全です。
具体的な目標得点の配分モデルを2つ挙げます。どちらも合計は合格ラインを超えます。
| 大問(配点) | 標準プラン | 第2問が苦手な人のプラン |
|---|---|---|
| 第1問(45点) | 36点(12問正解) | 39点(13問正解) |
| 第2問(20点) | 12点 | 8点 |
| 第3問(35点) | 26点 | 28点 |
| 合計 | 74点 | 75点 |
どちらのプランでも、第2問は満点を前提にしていません。第2問が苦手なら第1問と第3問で取り返せる、という設計になっているのが簿記3級の得点配分の特徴です。逆に、第1問と第3問が仕上がっていない状態で第2問だけ強化しても、上限が20点である以上、合格には届きません。
60分の時間配分を配点に合わせる
目標点が決まったら、時間の使い方も配点に合わせて決めておきます。標準的な配分は次のとおりです。
- 第1問(仕訳15問): 15〜20分。1問1分強のペース。悩む問題は飛ばして最後に戻る
- 第3問(決算): 20〜25分。決算整理を上から順に処理し、埋まった欄から確定させていく
- 第2問: 10〜15分。即答できる小問から埋め、詰まったら切り上げる
- 見直し: 5分。第1問の勘定科目の選び間違いと、金額の桁を優先的に確認する
ポイントは、解く順番を第1問→第3問→第2問にすることです。問題番号の順に解くと、配点の小さい第2問で時間を失って配点35点の第3問が手つかずになるリスクがあります。ネット試験では画面上で大問を行き来できるので、この順番で解くことに技術的な障害はありません。
配点構造から見た、簿記3級に向いている人・向いてない人
「簿記3級 向いている人」「簿記3級 向いてない」という検索も少なくありません。適性を性格論で語ることもできますが、ここまで見てきた配点構造から考えると、より実際的な整理ができます。
向いているのは、決まった型を繰り返し正確に処理することが苦にならない人です。配点45点の第1問は、頻出パターンを覚えて反復すれば確実に得点になる場所であり、地道な反復が最も報われる試験だと言えます。数学が得意である必要はなく、使う計算は四則演算と割合だけです。
一方、「向いてない」と感じやすいのは次のようなケースですが、いずれも適性というより取り組み方の問題であることがほとんどです。
- 完璧主義で、分からない1問に固執してしまう → 部分点の仕組みと配点順の解き方を知れば解決する
- 暗記が苦手 → 仕訳は丸暗記ではなく五要素の分類で導ける。理屈から入れば覚える量は大きく減る
- 途中で挫折してしまう → 第1問だけで45点あるため、仕訳に絞って毎日少しずつ進めるだけでも得点は動く
簿記3級は満点を求める試験ではなく、100点中70点で合格できる試験です。30点は落としてよいという前提に立てば、「全部を完璧に理解しないと受からない」という思い込みからくる向いていない感覚は、かなりの部分が解消されます。
全商簿記3級の配点は日商簿記3級と違う
「簿記3級」には日商と全商の2種類がある
「全商 簿記3級 配点」という検索があるように、簿記3級と呼ばれる検定は1つではありません。ここまで解説してきたのは日本商工会議所が主催する日商簿記検定3級で、社会人や大学生が受験する一般的な簿記3級はこちらを指します。これに対して全商簿記は、公益財団法人全国商業高等学校協会が主催し文部科学省が後援する「簿記実務検定試験」で、主に商業高校の生徒が校内で受験する検定です。
主催団体が違うため、試験時間も合格基準も別々に定められています。公式に公表されている範囲で並べると次のようになります。
| 項目 | 日商簿記3級 | 全商簿記実務検定3級 |
|---|---|---|
| 主催 | 日本商工会議所 | 全国商業高等学校協会(文部科学省後援) |
| 試験科目 | 商業簿記(3題以内) | 商品売買業を営む個人企業の基礎・基本となる会計処理 |
| 試験時間 | 60分 | 1時間30分 |
| 合格基準 | 70%以上 | 70点以上 |
| 受験料 | 公式サイトで要確認 | 1,600円 |
| 大問ごとの配点 | 45点/20点/35点(実際の出題での固定) | 公式サイトに一覧の記載なし |
全商簿記3級の配点は公式に公表されていない
注意したいのは、全商簿記実務検定3級について公式サイトが示しているのは、試験時間が各級・各科目とも1時間30分であること、70点以上で合格となること、3級の受験料が1,600円であることまでで、大問ごとの配点の内訳は公表されていないという点です。ネット上には「全商簿記3級は大問5問構成」といった情報も見られますが、公式の記載として確認できるものではないため、本記事では断定を避けます。受験する場合は在籍校の指導や全国商業高等学校協会の公式サイトで最新の要項を確認してください。
どちらを受けるべきか
就職や転職、実務での評価という観点では、一般に日商簿記3級のほうが広く認知されています。求人票の応募資格や資格手当の対象として挙げられるのも通常は日商簿記です。一方、全商簿記は商業高校の学習内容に沿って設計されており、高校の成績評価や推薦入試との結びつきが強い検定です。
商業高校で全商簿記3級に合格している人は、日商簿記3級の内容とかなりの部分が重なるため、そのまま日商簿記3級へ進むのが効率的です。ただし試験時間が90分から60分へ短くなり、第1問45点・第2問20点・第3問35点という配点のもとで解く順番を最適化する必要があるため、時間配分の練習だけは別途行ってください。知識ではなく処理速度が壁になるパターンが多いところです。
まとめ — 配点を知れば、簿記3級の勉強の優先順位が決まる
日商簿記3級の配点は第1問45点・第2問20点・第3問35点の合計100点、合格点は70点、試験時間は60分です。統一試験とネット試験(CBT)で配点も合格基準も変わりません。この数字から導ける結論は、大きく次の3つに絞られます。
- 第1問と第3問で80点を占める。学習時間は仕訳と決算整理に集中投下する。第2問は12点前後を拾えれば十分で、20点満点を目指す必要はない
- 部分点が効く場所と効かない場所を区別する。第1問の仕訳は1問3点のオール・オア・ナッシング、第2問・第3問は解答欄ごとに積み上がる。配点箇所は公表されていないため、埋められる欄を1つでも増やすのが正解
- 目標は70点ではなく75〜80点。第1問36点・第2問12点・第3問26点で74点。この配分を基準に、通し演習のたびに大問別の得点を記録して弱点を潰していく
そして、この3つのうち最も効率よく点が伸びるのは、やはり配点45点の第1問です。仕訳は問題数をこなした分だけ素直に得点に変わり、しかも第2問の勘定記入も第3問の決算整理も、結局は仕訳が書けることが前提になっています。仕訳が固まれば、100点満点のうち実質的に80点分の土台ができると言ってよいほどです。
Love.Accountants では、この第1問形式の仕訳ドリルを1問ずつ解ける練習問題として用意しています。勘定科目を選んで金額を入力する、本番のネット試験と同じ形式で、間違えた問題は復習に自動で回ります。通勤や休憩の数分でも進められるので、配点の大きいところから確実に固めていってください。
