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日商簿記3級の合格率は?【2026年最新】統一試験34%・ネット試験41%の推移と合格ライン・受かるコツ

最終更新日:
日商簿記3級の合格率は統一試験で33〜34%台、ネット試験で年度平均40.8%。第164回〜第173回の推移、歴代最高67.2%との落差、合格ライン70点で受かるには何割必要かまで、公式データをもとに解説します。
目次

日商簿記3級の合格率は?最新データ【2026年】

日商簿記3級の合格率は、結論からいうと統一試験(ペーパー方式)で33〜34%台、ネット試験(CBT方式)で年度平均40.8%です。かつて「合格率50%前後の入門資格」と紹介されていた時代の数字とは水準が変わっており、古い情報のまま受けると想定外の結果になります。まずは日本商工会議所が公表している最新の受験者データを確認しましょう。

直近の統一試験は3回続けて33〜34%台(第171回〜第173回)

直近の統一試験である第173回(2026年6月14日実施)の合格率は33.8%でした。実受験者14,359名に対して合格者は4,854名です。その前の第172回(2026年2月)が33.6%、日商 簿記3級の171回の合格率は34.5%と、3回続けてほぼ同じ水準で並んでいます。1年前の第170回が42.4%だったことを考えると、直近はやや厳しめの局面が続いているといえます。

回号(実施日)実受験者数合格者数合格率
第173回(2026年6月14日)14,359名4,854名33.8%
第172回(2026年2月22日)17,140名5,757名33.6%
第171回(2025年11月16日)16,648名5,743名34.5%
第170回(2025年6月8日)18,935名8,024名42.4%
第169回(2025年2月23日)21,026名6,041名28.7%

この数字が意味するのは単純で、統一試験の受験者のうち3人に2人は不合格になっているということです。「誰でも受かる試験」という前評判で無対策のまま挑むと、その3分の2の側に入ります。

ネット試験は年度平均40.8%で安定している

一方、テストセンターのパソコンで随時受験できるネット試験の合格率は、年度単位で公表されています。2025年度(2025年4月〜2026年3月)は受験者276,477名に対して合格者112,797名、合格率40.8%でした。日商 簿記3級の合格率をネット試験で見ると、統一試験より6〜7ポイント高い水準で、しかも年度をまたいでほとんど動きません。

年度受験者数合格者数合格率
2025年度(2025年4月〜2026年3月)276,477名112,797名40.8%
2024年度254,433名98,235名38.6%
2023年度238,155名88,264名37.1%
2022年度207,423名85,378名41.2%

受験者数にも注目してください。統一試験が年間5万人ほどなのに対し、ネット試験は年間27万人以上。いまや簿記3級の受験者の8割超がネット試験を選んでおり、「簿記3級の試験の合格率」といえば実質的にこのネット試験の数字を指すようになっています。方式による差がなぜ生まれるのかは、後の章で詳しく扱います。

統一試験33.8%とネット試験40.8%の合格率比較 同じ70点合格でも方式で6〜7ポイント違う 統一試験(第173回) 33.8% ネット試験(2025年度) 40.8% バーの全長が50%(目盛り0〜50%)
統一試験(第173回)は33.8%、ネット試験(2025年度)は40.8%。出題範囲も合格基準70点も同じだが、受験者数は統一試験が年間5万人ほど、ネット試験は27万人以上と規模も大きく違う

「日商簿記検定3級」の数字を自分で確認する方法

日商簿記検定3級の合格率は、商工会議所の検定公式サイトにある「受験者データ」のページで誰でも確認できます。統一試験は回ごと、ネット試験は年度ごとに更新される仕組みで、本記事の数値もすべてこの公表値に基づいています。合格発表後には各地の商工会議所が地域単位の合格率を出すこともありますが、受験者数が数十名規模の会場では数字が大きく振れるため、全国の公表値を基準に見るのが確実です。次回以降の試験結果は順次追加されるので、受験前には公式サイトで最新情報を確認してください。

合格率の推移 — 第164回〜第173回と歴代の記録

簿記3級の合格率の推移を過去にさかのぼって見ると、「同じ試験なのにここまで違うのか」と驚くはずです。直近10回でも28.7%から42.4%まで13ポイント以上の開きがあり、さらに過去には67%を超えた回も存在します。ここでは公表データをもとに推移を整理し、変動の理由を解説します。

第164回〜第173回の推移(直近10回)

統一試験の直近10回の合格率は次のとおりです。日商簿記3級の164回の合格率は34.0%で、そこから10回を経た第173回の33.8%とほぼ同じ水準に戻っているのが分かります。つまりこの3年間、平均すればおよそ35%前後を中心に上下しているということです。

回号(実施時期)実受験者数合格率
第173回(2026年6月)14,359名33.8%
第172回(2026年2月)17,140名33.6%
第171回(2025年11月)16,648名34.5%
第170回(2025年6月)18,935名42.4%
第169回(2025年2月)21,026名28.7%
第168回(2024年11月)19,588名29.5%
第167回(2024年6月)20,927名40.7%
第166回(2024年2月)23,977名36.3%
第165回(2023年11月)25,727名33.6%
第164回(2023年6月)26,757名34.0%
簿記3級統一試験の合格率推移(第164回〜第173回) 同じ試験でも回によって13ポイント動く 50% 40% 20% 0% 直近10回の平均 約35% 28.7% 42.4% 164回 166回 168回 170回 172回 横軸=回(第164回 2023年6月 → 第173回 2026年6月)
統一試験の直近10回の合格率。最低は第169回の28.7%、最高は半年後の第170回の42.4%で、平均はおよそ35%。どの回に当たるかは受験者側で選べない

あわせて見ておきたいのが受験者数の減り方です。第164回の26,757名から第173回の14,359名へ、3年で約半分になりました。減った分がそのままネット試験に移っており、統一試験は「日程が合う人・紙で解きたい人が選ぶ方式」へと性格を変えつつあります。

歴代最高は第157回の67.2% — 過去の数字をそのまま信じない

もっと過去にさかのぼると、第130回以降の歴代で最高の合格率は2021年2月の第157回の67.2%、最低は第141回の26.1%と記録されています。3人に2人が受かった回と、4人に1人しか受からなかった回が同じ試験の歴史の中に併存しているわけです。

ただし第157回までと現在とでは、試験そのものの形が違います。旧形式は試験時間120分・大問5問で、合格率が40〜50%台で推移した回も珍しくありませんでした。2021年度から試験時間60分・大問3問に再編されて以降は、30%台後半を中心とする現在の水準に落ち着いています。ネット上に残る「簿記3級の合格率は50%前後」という記述の多くは旧形式時代の数字なので、過去の合格率を見るときはどの形式の回かを必ず確認してください。

なぜ回によってこれほど振れるのか

変動の原因は、統一試験が「その回に用意された1セットの問題」を全員が解く方式だからです。合格基準は70点で固定された絶対評価のため、問題が重い回はそのまま合格率が落ちます。特に配点35点の第3問で見慣れない形式が出た回や、第2問に対策しづらい勘定記入が来た回は、数字がはっきり下がります。第169回の28.7%と第170回の42.4%が半年しか離れていないことが、この振れ幅を端的に示しています。

推移から読み取るべき実用的な結論はひとつです。どの回に当たるかは選べない以上、平均的な回で70点ではなく、重い回でも70点を超える余裕を作って受けること。あるいは、出題が平準化されているネット試験を選ぶことです。

合格ライン・合格基準 — 何割取れば受かるのか

合格率が何%の回であっても、日商簿記3級の合格ラインは100点満点中70点以上で一定です。合格基準は絶対評価であり、上位何%という枠は一切ありません。合格率28.7%の回でも70点を取れば必ず合格し、逆に合格率42.4%の回でも69点なら不合格です。この章では、その70点をどう組み立てるかまで踏み込みます。

合格基準は70点 — 何割・最低点の答え

何割取れば受かるのかという問いへの答えは7割です。合格に必要な最低点は70点ちょうどで、69点との間に救済措置はありません。科目ごとの足切り(大問ごとの最低ライン)は設けられていないため、どの大問で稼いでも構わないという点は受験者にとって有利な設計です。検索では「難点で合格」という誤変換で調べられることもありますが、探している答えはこの「何点で合格か=70点」です。

合格ライン
100点満点中70点以上(絶対評価・相対評価ではない)
大問ごとの足切り
なし。合計70点に達していればよい
受験資格
なし。年齢・学歴・実務経験を問わず誰でも受験できる
不合格時の再受験
ネット試験は所定の間隔を空ければ何度でも可能。統一試験は次回まで数ヶ月待つ

受かる確率を上げる配点戦略 — 満点は狙わない

現在の簿記3級は大問3問構成で、配点は第1問45点・第2問20点・第3問35点です。ここから合格の型が見えてきます。第1問(仕訳15題)と第3問(決算整理・財務諸表作成)だけで80点あるため、この2問を固めれば第2問が半分しか取れなくても合格圏に届きます。

大問配点主な出題目標得点の目安
第1問45点仕訳15題(1題3点)36点以上(12題正解)
第2問20点勘定記入・補助簿・伝票など8点以上
第3問35点精算表・財務諸表・決算整理26点以上

満点合格を目指す必要はまったくありません。実際、第2問は回によって出題テーマの振れが大きく、ここを完璧にしようとすると学習効率が急激に落ちます。受かる確率を最大化する現実的な配分は「第1問と第3問で80点満点中65点前後、第2問で残りを拾う」という形です。合格証書に点数の優劣は記載されず、70点でも100点でも「合格」として同じ扱いになります。

配点の並びで見ると、第1問45点と第2問20点を合計しても65点にしかならず、合格ライン70点は第3問に入って5点目の位置にあります。つまり第1問と第2問を満点にしても、第3問に手をつけずに合格することはできません。逆に第1問45点と第3問35点で80点を確保できれば、第2問が丸ごと崩れても合格ラインを超えます。第3問の決算整理を後回しにしないことが、合格率を自分の側から動かす最短の道です。

簿記3級の配点内訳と合格ライン70点の位置 100点満点の配点と、合格ライン70点の位置 45 第1問 仕訳 20 第2問 35 第3問 決算 ここが合格ライン 70点 第1問45+第3問35=80点。第2問が崩れても届く
第1問45点+第2問20点=65点なので、70点ラインは第3問に入って5点目の位置にある。満点は不要で、第1問と第3問の確保が合格の最短ルート

不合格になるのは何点足りない人か

不合格者の得点分布を見ると、最も多いのは60点台です。あと1題の仕訳、あるいは決算整理の1項目で届かなかったというケースが大半を占めます。逆にいえば、日商簿記3級で不合格になる典型は「まったく分からなかった人」ではなく「時間が足りずに埋めきれなかった人」です。60分という試験時間に対して解く量が多いため、正確さと同じくらい処理速度が合否を分けます。模試の段階から必ず時間を計り、80点を安定して出せる状態を作ってから本番に進んでください。

合格率から見た難易度 — 「むずい」「難しすぎる」の正体

合格率30〜40%という数字は、資格試験全体の中でどのくらいの難しさなのでしょうか。SNSには「日商簿記3級、むずい」という悲鳴と「1ヶ月で普通に受かった」という報告が同居しています。この評価の割れ方にこそ、簿記3級の難しさの本質があります。

偏差値でいうと45前後 — 資格全体での位置づけ

資格情報サイトの難易度指標では、日商簿記3級の偏差値は45前後とされることが多く、資格全体では「やや易しい」ゾーンに入ります。合格率が1桁台の難関国家資格とは明確に次元が違い、必要な勉強時間もおよそ100時間と、働きながらでも十分に届く量です。使う数学も四則演算と割合だけで、数学的な難しさはほとんどありません。

資格合格率の目安偏差値の目安簿記3級との比較
公認会計士約8%74以上別次元。簿記はその入口
日商簿記1級約10%65前後はっきり格上
宅地建物取引士15〜17%55前後格上
日商簿記2級15〜30%55前後3倍前後の学習負荷
日商簿記3級34〜41%45前後
ITパスポート50%前後45前後ほぼ同格(暗記型か計算型かの違い)

それでも「偏差値のわりに難しさを感じた」という声が絶えないのは、簿記が知識量ではなく考え方の切り替えを要求する科目だからです。難易度の細かい分解は簿記3級の難易度の徹底解説で扱っています。

「難しすぎる」と感じる人が必ず通る壁

簿記は、日常の金銭感覚とは別体系の複式簿記というルールの上に成り立っています。「現金が増えたのに貸方に書く場面がある」といった感覚のねじれに慣れるまで、誰でも最初の2〜3週間は霧の中を歩くような状態になります。むずいと言われる原因の9割はこの時期の体感で、ここで「自分には向いていない」と判断して離脱するのが最大の脱落ポイントです。

裏を返せば、仕訳の型が手に馴染んだ瞬間から急に問題が解けるようになります。入門資格なのに難しすぎると言われ、同時に簡単だったとも言われるのは、この極端な学習曲線のためです。壁を越えるのに必要なのは才能ではなく、1日10問でいいので仕訳を毎日解き続けることだけです。

不合格になる人に共通する3つのパターン

合格率が3割台で推移する以上、不合格そのものは珍しいことではありません。ただし、複数回落ちる人には共通した傾向があります。

  1. テキストを読み返すばかりで演習量が足りない — 簿記は読んで理解する科目ではなく、手を動かして型を体に入れる科目です
  2. 不合格の中身を分析していない — どの大問のどの論点で何点落としたかを特定しないまま、また最初から復習を始めてしまう
  3. 時間を計らずに練習している — 60分で解き切る訓練を省くと、本番で第3問に到達する前に時間切れになる

特に3つ目は見落とされがちです。合格率の低い回ほど「解ける問題を解く時間が足りなかった」人が増えるため、時間配分の練習は難易度対策として最も費用対効果が高い部分だといえます。

属性別に見る合格率 — 高校生・40代・そもそも3級とは

商工会議所は年齢別・職業別の合格率を公表していません。それでも「高校生でも受かるのか」「40代から始めて間に合うのか」という不安は根強くあります。公表データの範囲で分かることと、属性ごとの現実的な戦い方を整理します。

日商簿記3級とは — 全経・全商の3級との違い

日商簿記3級とは、日本商工会議所が実施する簿記検定の入門級で、小規模な株式会社の日常的な取引を記録し、決算書を作成できる水準を認定するものです。簿記検定には日商のほかに全経(全国経理教育協会)・全商(全国商業高等学校協会)があり、同じ「3級」という名前でも内容とレベルが異なります。就職・転職で評価の対象になるのは基本的に日商簿記で、本記事の合格率もすべて日商のものです。

また、求人票などで見かける「日商簿記3級以上」とは、3級・2級・1級のいずれかを持っていればよいという意味です。かつて存在した簿記4級は現在「簿記初級」に置き換わっており、初級と3級の違いは決算(精算表・財務諸表の作成)まで扱うかどうかにあります。履歴書に書いて意味を持つのは3級からだと考えてください。

高校生の合格率は低くない

日商簿記3級の合格率を高校生に限って見た公表値はありませんが、商業高校では在学中に日商3級を取得する生徒が多数おり、高校生にとって現実的な目標であることは確かです。むしろ授業で毎日簿記に触れられる商業科の生徒は、独学の社会人より有利な条件にあります。

普通科の高校生でも問題ありません。必要な数学は割合の計算までで、内容を理解できるかどうかに学年は関係しません。夏休みなどまとまった時間を確保できる時期に集中すれば、1ヶ月で仕上げることも十分可能です。大学受験を控えた学年なら、推薦入試での加点材料として早めに取っておく価値もあります。

40代・50代から受けても遅くないか

受験資格に年齢制限は一切なく、40代からの挑戦も珍しくありません。経理職への転職や、家業・自営業の経理を自分でやるために40代で取得する人は多く、実際に70代の合格者も出ています。

ただし、40代以降の学習には固有の課題があります。仕事や家庭で可処分時間が細切れになりやすいことです。対策はシンプルで、まとまった2時間を探すのをやめ、通勤時間や昼休みの15分で仕訳を数問解く形に切り替えること。簿記の学習は仕訳という小さな単位に分解できるので、細切れの時間との相性がむしろ良い科目です。年齢による不利があるとすれば記憶力ではなく学習時間の確保であり、そこさえ設計できれば合格率に年齢の壁はありません。

合格率を自分だけ上げる勉強法 — 受かるには・コツ・短期合格

全体の合格率が34%でも、正しい順序で準備した人の合格率はそれよりはるかに高くなります。分母には準備不足のまま受けた層が相当数含まれているからです。ここでは、日商簿記3級に受かるにはまず何をすべきかを、配点効率の観点から具体化します。

合格するには「読む」より「解く」 — 学習の順序

資格をとるには教材を1セットに絞り、学習の主軸を読むではなく解くに置くことが出発点です。テキストを3周してから問題集に入る進め方は、簿記に関しては遠回りになります。1章読んだらその日のうちに対応する問題を解く、を繰り返してください。合格する方法として最も再現性が高いのは、次の順序です。

  1. 第1〜2週: 仕訳(配点45点) — 現金・売掛金買掛金など基本の勘定科目を、テキストと問題を往復しながら固める
  2. 第3〜4週: 帳簿・勘定記入(第2問対策) — 仕訳が総勘定元帳や補助簿にどう転記されるかをつなげる
  3. 第5〜6週: 決算整理・精算表(配点35点)減価償却・貸倒引当金・経過勘定。仕訳の型が入っていれば理解は速い
  4. 直前1〜2週: 模試を60分で解く — 知識をスピードに変換する仕上げ期間

この順序が有効なのは、第2問・第3問の中身が結局すべて仕訳の集合体だからです。仕訳が曖昧なまま精算表に進むと、どこで間違えたのかすら分からなくなります。

合格のコツは「間違えた論点だけを繰り返す」

合格のコツを一つだけ挙げるなら、解き直しの対象を間違えた問題に限定することです。正解した問題をもう一度解いても得点は増えません。間違えた仕訳に印をつけ、翌日・3日後・1週間後にその問題だけを解く。この間隔をあけた復習が、限られた学習時間あたりの得点上昇率を最大にします。

もう一つのコツは、電卓の使い方を早い段階で固めることです。試験時間60分のうち、集計作業に費やす時間は想像以上に長くなります。メモリ機能(M+・MR)を使えるようにしておくだけで、第3問の集計が目に見えて速くなります。仕訳そのものの覚え方とよく出るパターンは簿記3級の仕訳の完全攻略にまとめました。

勉強時間の目安と短期合格の現実的な下限

独学の初学者に必要な勉強時間の目安は約100時間、会計の素養がある人なら50〜70時間です。1日1時間なら約3ヶ月、1日2時間なら1〜2ヶ月が標準的な期間になります。

短期合格を狙う場合、「5日間で受かった」という体験談は実在しますが、その多くは1日8時間以上を確保できた人の例です。働きながらであれば2週間〜1ヶ月の集中プランが現実的な下限と考えてください。ネット試験なら仕上がった時点で受験日を選べるため、短期集中と相性が良いのも事実です。逆に、合格ラインぎりぎりの状態で日程に間に合わせようとすると、難しい回に当たった瞬間に押し切られます。立場別・1日あたりの時間別のシミュレーションは簿記3級の勉強時間の解説で詳しく扱っています。

受かって意味ある?メリット・すごさ・「役に立たない」の真偽

約100時間を投じる前に確かめておきたいのが、合格して何が変わるのかです。「日商簿記3級はすごい」と言う人と「役に立たない」と言う人が両方いるのは、評価している場面が違うからです。両方の言い分を整理します。

持ってると何が変わるか — 実際の効き方

日商簿記3級を持ってると最も直接的に効くのは、経理・会計事務所・税理士補助といった求人の応募条件です。「簿記3級以上」を条件に掲げる求人は多く、資格がないだけで書類選考にすら進めないケースがあります。この足切りを越えられることが、実務的には最大の効果です。

持ってる人の内訳を見ると、経理職志望者だけでなく、営業・企画職や個人事業主も相当数を占めます。原価と利益の構造が分かると、値引き交渉や見積りの判断が変わるためです。株式投資のために決算書を読めるようになりたい、という動機で取る人も増えています。

取得のメリットと、どんな場面で有利になるか

取得のメリットは、ひとことでいえば会社の数字を読む共通言語が手に入ることです。具体的には次の3つの場面で有利に働きます。

就職・転職
経理未経験からのキャリアチェンジで、応募資格を満たす入場券になる。学生であれば商学部・経済学部以外の出身ほど差別化になる
社内評価・実務
請求書処理・経費精算・予算管理の意味が分かるようになる。資格手当の対象にしている企業もある
上位資格への接続
簿記2級・1級、さらに税理士・公認会計士へ進むための土台になる。3級を飛ばして2級から始めるのは簿記経験者以外には勧められない

役に立つ度合いは、その後に実務や上位資格へつなげるかどうかで大きく変わります。取って終わりにすれば知識は薄れますが、次の一歩の踏み台として使えば投資効率は資格の中でもトップクラスです。

「すごい」のか「役に立たない」のか

結論からいうと、日商簿記3級すごいと驚かれる資格ではないが、無いと困る場面がある資格です。年間30万人以上が受験し10万人以上が合格する試験である以上、希少性で勝負する種類のものではありません。「簿記3級を持っているだけで採用される」ということは基本的に起こらず、その意味で役に立たないという評価には一理あります。

一方、すごさを測る物差しを「知識の実用性」に置くと評価は反転します。複式簿記は数百年使われ続けている記録技術で、業種も国も問わず通用します。3級の範囲だけでも、決算書の構造・利益がどう計算されるか・現金と利益がなぜズレるかまで理解できます。資格そのものではなく、資格を取る過程で得た知識が本体だと考えると、100時間の投資として十分に見合う内容です。

簿記2級の合格率との比較 — 次のステップをどう選ぶか

3級に合格した人の多くが次に検討するのが簿記2級です。ただし2級は、3級の延長線上にある試験ではありません。合格率の差がその断絶をはっきり示しています。

日商2級の合格率は統一試験で15%前後

簿記の日商2級の合格率は、統一試験で15〜30%程度、ネット試験で年度平均33〜37%前後です。直近の統一試験である第173回(2026年6月)は15.1%まで落ち込みました。3級の33.8%と比べると半分以下で、同じ検定の隣り合う級とは思えない差があります。

統一試験の合格率(直近)ネット試験の合格率(年度平均)勉強時間の目安
日商簿記3級33.8%(第173回)40.8%(2025年度)約100時間
日商簿記2級15.1%(第173回)32.9%(2025年度)250〜350時間
日商簿記1級10%前後—(統一試験のみ)500〜1,000時間

差が生まれる最大の理由は範囲の広さです。2級では商業簿記が高度化するのに加え、工業簿記(原価計算)というまったく新しい科目が40点分加わります。さらに連結会計・税効果会計・リース取引など、かつて1級の範囲だった論点が下りてきました。3級との違いは「量が増える」ではなく「科目が増える」ことだと理解してください。詳しい推移と低い理由は簿記2級の合格率の徹底解説にまとめています。

3級の次に何をするか — 2級へ進む前の判断

2級に進むべきかどうかは、目的で決めるのが合理的です。経理職として働く・転職市場で評価されたいのであれば2級まで取る価値は明確にあります。求人票で「簿記2級以上」を条件にする経理求人は多く、3級との評価差は実際に存在します。一方、決算書を読めるようになるのが目的だったのなら、3級で目的は達成されており、無理に進む必要はありません。

進むと決めた場合、3級合格の記憶が新しいうちに着手するのが有利です。商業簿記の土台が残っている間に始めれば、2級の商業簿記は3級の拡張として吸収でき、学習時間を150〜250時間程度に抑えられます。数ヶ月空けてから再開すると、3級の復習からやり直すことになりがちです。

まとめ:合格率34%は「対策すれば超えられる」数字

日商簿記3級の合格率を一言でまとめると、統一試験33〜34%台・ネット試験40.8%。3人に2人が落ちる試験だが、落ちる側の多くは準備不足であるということです。本記事の要点を整理します。

  • 直近の統一試験は第171回34.5%・第172回33.6%・第173回33.8%と横ばい。ネット試験は2025年度40.8%で安定
  • 過去10回は28.7%〜42.4%で振れる。歴代最高67.2%は旧形式(120分・5問)時代の数字であてにならない
  • 合格基準は100点満点で70点以上の絶対評価。合格率が何%の回でも7割取れば必ず受かる
  • 配点は第1問45点・第2問20点・第3問35点。満点は不要で、第1問と第3問の確保が最短ルート
  • 受験資格・年齢制限はなく、高校生から40代以降まで属性を問わず合格できる

日程の自由度と合格率の安定性から、これから受けるならネット試験がおすすめです。申し込みから当日の画面操作までの流れは簿記3級ネット試験の完全ガイドで確認してください。

そして合格率を自分の側から動かす方法は、結局のところ配点45点の第1問を確実に取ることに尽きます。Love.Accountants の仕訳ドリルなら、本番のネット試験と同じ形式(勘定科目の選択+金額入力)で、間違えた論点だけを自動で復習できます。今日の10問から始めてみてください